確率と統計 - 確率2回目 - 平成 18 年 11 月 1 日. 2 今日の内容 1. 確率の復習(再整理) 2. 加法の定理 3. 乗法の定理へのイントロ.

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4.プッシュダウンオートマトンと 文脈自由文法の等価性
1 0章 数学基礎. 2 ( 定義)集合 集合については、 3セメスタ開講の「離散数学」で詳しく扱う。 集合 大学では、高校より厳密に議論を行う。そのために、議論の 対象を明確にする必要がある。 ある “ もの ” (基本的な対象、概念)の集まりを、 集合という。 集合に含まれる “ もの ” を、集合の要素または元という。
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確率と統計 - 確率2回目 - 平成 18 年 11 月 1 日

2 今日の内容 1. 確率の復習(再整理) 2. 加法の定理 3. 乗法の定理へのイントロ

確率と統計 ある質問 イタリアのある貴族が Galileo( ) にこう尋ねた。「3つのサイコロ を投げるとき、その目の和が9になる 場合と、10になる場合の数は等しい と思っているので、そのどちらに賭け ても同じであると気にしなかったが、 実際には10になる方が少し多く感じ られるのはどうしたことか?」 Galileo に代りあなたは答えられます か?

確率と統計 自由研究 Galileo 問題 3個のサイコロを投げるとき、その目 の和を T とする。このとき、 P(T=10) = P(T=9) ? P(T=10) P(T=9) ? 実際にサイコロを投げて調べてみよう。 (理論値は次週説明します。)

確率と統計 試行 標本点 標本空間 事象

確率と統計 X + Y + Z = N N=9,10

確率と統計 X + Y + Z = 10 のとき (6, 3, 1) (4, 5, 1) (3, 6, 1) (2, 6, 2) (1, 6, 3) (6, 2, 2) (4, 4, 2) (3, 5, 2) (2, 5, 3) (1, 5, 4) (6, 1, 3) (4, 3, 3) (3, 4, 3) (2, 4, 4) (1, 4, 5) (5, 4, 1) (4, 2, 4) (3, 3, 4) (2, 3, 5) (1, 3, 6) (5, 3, 2) (4, 1, 5) (3, 2, 5) (2, 2, 6) (5, 2, 3) (3, 1, 6) (5, 1, 4) 27 通り

確率と統計 X + Y + Z =9 のとき (6, 2, 1) (4, 4, 1) (3, 5, 1) (2, 6, 1) (1, 5, 3) (6, 1, 2) (4, 3, 2) (3, 4, 2) (2, 5, 2) (1, 4, 4) (5, 3, 1) (4, 2, 3) (3, 3, 3) (2, 4, 3) (1, 3, 5) (5, 2, 2) (4, 1, 4) (3, 2, 4) (2, 3, 4) (1, 2, 6) (5, 1, 3) (3, 1, 5) (2, 2, 5) (2, 1, 6) 24 通り

確率と統計 /216 = /216 = 約 1.4% の差! (人間はこれを知覚できるようだ)

10 それでは今日の話

11 確率の定義(再考)  試行  標本点 ω: a, b, c, …, z  標本空間 Ω={ a, b, c, …, z }  事象系 F: (事象の集合) F={ φ, {a}, {b}, …, {a,b}, {a,c},…, Ω }  確率関数 P: P: F ∋ x → P(x)

12 加法の定理( No.1)  例:1つのサイコロ 試行:1つのサイコロを投げ、出る目を記録 標本点 ω : 1, 2, 3, 4, 5, 6 標本空間 Ω= { 1, 2, 3, 4, 5, 6 } 事象系 F ={Φ,{1},{2},{3},{4},{5},{6},{1,2},{1,3},{1,4},{1,5},{1,6}, {2,3},{2,4},{2,5},{2,6},{3,4},{3,5},{3,6},{4,5},{4,6},{5,6}}

13 加法の定理( No.2)  確率関数(確率の割り当て):  P(Φ)=0  P(Ω)=1  P({1})= P({2})= … =P({6})=1/6  それ以外のもの ( 事象 ) は? 定義 等確率の原理より (等確率の仮定よ り)

14 加法の定理( No.3)  P({1,2})=?  P({1,2,3})=?  P({1,2,3,4})=? どうやって計算する?

15 加法の定理( No.4)  事象の意味の確認:  事象とは、 … 標本空間の部分集合 事象系の要素

16 加法の定理( No.5) 事 象事 象解釈(意味 ) 備 考 {1} 1の目が出る 単一事象 {1,2} 1の目が出るか 2の目が出る 複合事象 {1,2,3} 1の目が出るか 2の目が出るか 3の目が出る 複合事象

17 加法の定理( No.6) 事 象確率備 考 ΦP(Φ)=0 空事象 Ω (={1,2,…,6}) P(Ω)=1 全事象 {1}, {2}, {3}, {4}, {5}, {6} P({1})=1/6 etc. 単一事象 {1,2},{1,3},…, {2,3,4,5,6} ??? (ここが問題!) 複合事象

18 加法の定理( No.7)  確率の計算とは、数学的には、測度(曲 線の長さ、面積、体積)の計算と同等で ある。 (注)詳しくは、「ルベーグ (Lebesgue) 積分」 あるいは「測度論」に関する参考書を 参照のこと。 つまり、...

19 加法の定理( No.8) 各部分の図形の面積が P({k}) になっている。 {1} {2} {6} {3} {4} {5}

20 加法の定理( No.9) したがって、  図形 {1,2} の面積は図形 {1} と図形 {2} の和と して求められる。つまり、  P({1,2}) = P( {1} ∪ {2} ) = P( {1} ) + P( {2} ) =1/6 + 1/6 = 2/6 = 1/3  P({1,2,3}) = P( {1} ∪ {2} ∪ {3} ) = P( {1} ) + P( {2} ) + P( {3} ) = 1/6 + 1/6 + 1/6 = 1/2

21 加法の定理( No.10) 一般に、 A= w 1 ∪w 2 ∪w 3 ∪ … ∪w n ⊂ Ω かつ w 1 ∩ w 2 = Φ (互いに排反) (2つの図形に重なり合う部分がない) のとき、 P(A) = P( w 1 ∪w 2 ∪w 3 ∪ … ∪w n ) = P( w 1 ) + P( w 2 ) + … + P( w n ) これを加法の定理という。

22 加法の定理( No.11)  重なり合う部分があ るときは? 全体の面積 = 2つの図形の面 積 -2つの図形の重なり部分の面 積

23 加法の定理( No.12)  加法の定理(一般形) P(A ∪ B) = P(A) + P(B) - P(A∩B) P(A ∪ B ∪ C) = P(A) + P(B) + P(C) - P(A∩B) - P(B∩C) - P(C∩A) + P(A∩B∩C)

24 加法の定理( No.13) 事象解釈(意味 ) 確率 {1} 1の目が出る 1/6 {1,2} 1の目が出るか 2の目が出る 2/6 {1,2,3} 1の目が出るか 2の目が出るか 3の目が出る 3/6 したがって、

25  練習問題 箱の中に、赤球が2個、白球が 2 個、青球 が 3 個入っている。 (1)箱の中から無作為に球を1つ取り出すと き、赤球が取り出される確率はいくらか? (2)箱の中から無作為に球を2つ同時に取り 出すとき、2個とも赤球となる確率はいくら か?

26  考え方: 試行 標本点 標本空間 事象系 確率の割り当て: 空事象・全事象の確率は定義より OK 単一事象の生起確率を決める 複合事象は計算で求める

27  答え:標本空間を作り、単一事象の確率 を求める。あとは単なる計算。 (1)球は全部で 2+2+3=7 個 Ω={ 赤 1, 赤 2, 白 1, 白 2, 青 1, 青 2, 青 3} P({ 赤 1}) = 1/7 (等確率の原理より) P({ 赤 1, 白 2})=P({ 赤 1})+P({ 白 2}) =1/7 + 1/7 = 2/7

28  赤か白が取り出される確率:  赤か白が取り出される事象: 赤が取り出される: 赤1が取り出されるか、赤2が取り出される { 赤 1, 赤 2} 白が取り出される: 白 1 が取り出されるか、白 2 が取り出される { 白 1, 白 2}  { 赤 1, 赤 2, 白 1, 白 2}  P({ 赤 1, 赤 2, 白 1, 白 2})=1/7 + 1/7 + 1/7 + 1/7 = 4/7

29 (2) Ω={ { 赤 1, 赤 2}, { 赤 1, 白 1}, { 赤 1, 白 2}, { 赤 2, 白 1},{ 赤 2, 白 2}, { 赤 1, 青 1}, { 赤 1, 青 2}, { 赤 1, 青 3}, { 赤 2, 青 1}, { 赤 2, 青 2}, { 赤 2, 青 3}, { 白 1, 白 2}, { 白 1, 青 1}, { 白 1, 青 2}, { 白 2, 青 3}, { 白 2, 青 1}, { 白 2, 青 2}, { 白 2, 青 3}, { 青 1, 青 2}, { 青 1, 青 3}, { 青 2, 青 3}} (21個の事象)

30  これらの事象が等確率で起きるなら、 P( 2つとも赤 )=P({ 赤 1, 赤 2})=1/21

31 乗法の定理( No.1)  先ほどまでは、 「ある出来事 A が起きるか、または、他の 出来事 B が起きる確率」 を考えた。  今度は、 「ある出来事 A が起き、引き続き他の出来 事 B が起きる確率」 を考えよう。 =>(乗法の定理をめざ して)

32  例:1個のコインを 1 回だけ投げる 試行:コインを投げて出る面を記録 標本点 ω : H,T 標本空間 Ω={H,T} 事象系 F={Φ, {H}, {T}, Ω} 確率: P(Φ)=0, P(Ω)=1, P({H})=P({T})=1/2 (等確率の原理)

33  例: 1 個のコインを2回投げる 試行:コインを2回投げて、出る面を順に記 録 標本点 ω : HH, HT, TH, TT 標本空間 Ω={ HH, HT, TH, TT } 事象系 F={Φ, {HH}, {HT}, {TH}, {TT}, {HH, HT}, {HH,TH}, {HH,TT}, …, Ω} (16 個 ) 確率: P(Φ)=0, P(Ω)=1, P({HH})=P({HT})= P({TH})=P({TT})= 1/4 (等確率の原 理)

34  例: 1 個のコインを3回投げる 試行:コインを投げ出る面を順次記録 標本点 ω : HHH, HHT, HTH, HTT, THH, THT, TTH, TTT 標本空間 Ω={{HHH}, {HHT}, {HTH}, {HTT}, {THH}, {THT}, {TTH}, {TTT}} 事象系 F={Φ, {HHH}, {HHT}, {HTH}, {HTT},…, Ω} (256 個 ) 確率: P(Φ)=0, P(Ω)=1, P({HHH})=P({HHT})= … =P({TTT})= 1/8 (等確率の原理)

35  表が2回、裏が1回となる確率は: 表裏の出方: HHT, HTH, THH の3つ したがって、 P({HHT, HTH, THH }) = P({HHT})+P({HTH})+({THH}) (各事象 {HHT}{HTH}{THH} は同時には起き得ない、 つまり、 互いに排反) = 1/8 + 1/8 + 1/8 = 3/8

36  この考え方で、一応計算はできる。  でも、場合によってはもっと便利で発展 性のある考え方がある。  それが乗法の定理である。  が、時間切れなので次回。

37 これ以後の内容  加法定理から乗法定理へ  事後確率の話し(ベイズの定理)  独立性とは  N個の確率変数の期待値と分散  確率論による統計学の基礎付け (この辺からまた統計に戻ります。)

38 付録  その他の確率の定義 (確率の定義にはいろいろなものがあり ます。どれが本当は正しいのでしょう か? これは定義の問題です。)

39 経験的確率  サイコロをずっと振り続けると、どの目 も同じ程度に現れる。  だから、 P( ① ) = P( ② ) = … = P( ⑥ ) = 1/6

40 測度論的確率  確率空間 M = ただし、 Ω :標本空間 F: σ- 加法族 2 P ∋ F は無限回の集合演算 に関して閉じている。 P: 確率関数(測度関数) P(Ω)=1 F は事象の集合( Ω の集合族の部分集 合)