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About HITACHI Polarized Zeeman AAS

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1 Introduction for HITACHI Z-2000 SERIES Polarized Zeeman Atomic Absorption Spectrophotometer

2 About HITACHI Polarized Zeeman AAS
Year Model   Units (Flame) (Furnace) (Flame)   (Furnace) (Tandem) Tandem alignment 1983 Z-6000 (Flame)   Z-7000 (Furnace) Z-8000 (Tandem) 1987 Z-9000 (Furnace) Multi-elements analysis 1987 Z-6100 (Flame) ,365 1988 Z-8100 (Tandem) 1991 Z-8200 (Tandem) , PC control 1996 Z series , D optics 三次元光学系 2004 Z-2000 series     > Dual detector system 二検知器 これは日立ゼーマン原子吸光の歴史を示しています。 日立は世界に先駆けて変更ゼーマン原子吸光を1973年に開発して以来、25ヶ国7000の顧客に供給しています。 特に近年では、1996年に発売したZ-5000シリーズで三次元光学系を採用したことにより、ノイズが大幅に低減し、高輝度ランプ無しでヒ素、セレンの1ppbレベルの測定が可能になりました。 また、今回2004年に発売したZ-2000シリーズでは、デュアル検出器を採用して更にノイズ低減を図り、現在までに450台以上を出荷しています。 Hitachi introduced world’s first polarized Zeeman AAS Model 501 in 1973, and have delivered a variety of units to about 7,000 customers in 25 countries around the world.

3 New Model / Z-2000 Series Product configuration Z-2300 Z-2000 Z-2700
(1) Tandem Type Model Z-2000 (2) Flame Type Model Z-2300 (3) Graphite Furnace Type Model Z-2700 Z-2000シリーズは、すでにご存知のとおり、タンデムタイプのZ-2000、フレーム専用機のZ-2300、グラファイトファーネス専用機のZ-2700があります。 Z-2300 Z-2000 Z-2700

4 High Quality Direct-current Zeeman background correction     (both Flame method and Graphite Furnace method)      直流ゼーマンバックグラウンド補正、フレームとファーネスの両方  2. Dual detector  二検知器 Photomultiplier for Sample サンプル用光電子増倍管 Photomultiplier for referenceレファレンス用光電子増倍管 今回開発したZ-2000シリーズの高品質を支える技術として、最も大きなものにデュアル検出器システムがあります。 これは、カタログにも記載されておりますように、光源ランプからの光を原子化部を通し、分光器、偏光子を通った後に二つに分け、サンプル光とレファレンス光の別々の光電子増倍管で検出するものです。 Z-2000 series Optics Dual detector system enables simultaneous signal capture of both Sample and Reference.                   二検知器システムにより、サンプル光とレファレンス光の同時取り込みが可能になりました。

5 Timing Chart of Signal Processing
20 ms 20 ms シングル検出器システムと、デュアル検出器システムの原理を説明します。 これは検出器からの信号処理のタイムチャートを表しています。 従来機のZ-5000や他社のD2補正原子吸光では、このように20ミリ秒の間にサンプル光についてホローカソードランプ(HCL)のONとOFF(Zero)、また、レファレンス光についてHCLのONとOFFを1サイクルとして繰り返して測定します。 一方、Z-2000シリーズでは検出器が2つあるため、サンプル光についてHCLのON,OFF、またレファレンス光についてHCLのON,OFFの測定を別々に同時に行うことができます。これにより、単純に考えて、サンプル光(およびレファレンス光)で利用できる光の量が従来の2倍になり、その結果がノイズ低減になります。 Exact simultaneous measurement of sample signal and reference signal with the dual detector system realizes low noise and highly accurate analysis.

6 New optics with dual detection system achieves better sensitivity.
Comparison data among Z-8200/Z-5000/Z-2000 Model Z-8200 Model Z-5000 Model Z-2000 Element : As (193.7nm) Graphite furnace method, As Standard Solution (1ug/L) 40uL injection Model Detection Limit Z-5000 0.4 ug/L Z-2000 0.15 ug/L 日立原子吸光のノイズを比較のために、グラファイトファーネスでヒ素の1ppb標準とブランクを測定した信号です。 2世代前のZ-8200ではノイズが高く1ppbのピークがノイズに埋もれてしまうため、ブランクとの区別がつきません。この場合は、ヒ素の測定には高輝度ランプ(EDL)が必要でした。 Z-5000では三次元光学系によりノイズが低減し、通常のホローカソードランプで1ppbのピークを捉えることができるようになりました。さらに、Z-2000ではデュアル検出器システムによりノイズが低減したため、1ppbのヒ素の測定精度が向上しています。 検出限界で比較すると、1/2以下になっています。

7 Stable baseline Flame DC Zeeman correction and dual detector system achieved very stable baseline for long time. After the warm-up time of about 5 min., baseline can be stabilized over one hour. これはフレームでのベースラインの変動を表したものです。 フレームでゼーマンバックグラウンド補正ができるのは日立のみですが、このようにゼーマン補正により長時間安定したベースラインが得られます。Cuの場合、ランプのウォームアップに5分待った後は、ベースライン(補正信号)は1時間以上安定しています。 Baseline change (Flame method) : Cu lamp

8 Zeeman background correction in Hydride Formation method
Lamp Flame Optics Detector HFS-3 Heating Absorption Cell Burner Head Magnet Background correction impossible Z-5000 Shield Plate Z-2000 Background correction possible Heating Absorption Cell Magnet descend mechanism Z-2000シリーズの特長のひとつに、水素化物発生法でゼーマンバックグラウンド補正が可能になったということがあります。 ご存知のように、水素化物発生法は、水素化物発生装置(HFS-3)により発生したヒ素、セレンなどの水素化物を、フレームの上に設置した加熱吸収セルに導入し、ここで原子化した信号を装置に取り込むという方式です。 日立原子吸光では、フレームでもゼーマンバックグラウンド補正を行うため、バーナーヘッドの両側に磁石が設置されていました。従来装置では、ここにセルを設置すると炎が磁石に接触するという不都合がありました。このため、以前の装置では磁石を取りはずして測定し、Z-5000では磁石の下降メカにより磁石をずらして、補正無しで測定していました。 Z-2000ではこれを解決するために、磁石の内側に遮蔽版をいれ、セルを磁石の間に入れて、ゼーマンバックグラウンド補正法により測定可能としました。 Magnet is exposed to Flame Zeeman background correction becomes possible, since heating absorption cell can be set between magnet.

9 (HFS-3, Heating Absorption cell)
Zeeman background correction in Hydride Formation method As Standard Solution   ug/L As Standard Solution   ug/L River Water 水素化物発生法によりヒ素を測定した比較データです。 ヒ素標準液0,5,10,15ppbを測定した場合、Z-5000ではバックグラウンド補正なしのためベースラインが不安定で、ノイズもやや高くなっています。Z-2000では吸光度はほぼ同じですが、ベースラインが安定し、またノイズも低減しています。 Z-5000 Z-2000 Measurement of As (HFS-3, Heating Absorption cell)

10 Know-how for a better AAS expert 更なる原子吸光スペシャリストへの測定のコツ
次に、より良い原子吸光分析を行うための、測定のコツについて紹介します。 Hitachi High-Technologies

11 FLAME まずフレーム編について説明します。

12 The Determination of Cadmium, Copper and Lead in Nickel Plating Bath Solution.
フレームの特長あるデータに、ニッケルめっき液中のカドミウム、銅、鉛の測定例があります。 これは別ファイルにて測定します。

13 Analysis of high-calorie food 高カロリー食品の分析
Requirements for analysis 分析に対する要求項目 Rapid analysis (use of autosampler) 迅速分析 Concentration difference in elements(different dilution factors)      元素により濃度差 Continuous measurement (multi-elements sequential analysis)      連続測定 Problem 問題点 1. Different dilutions, different viscosities cause different delay times     希釈倍率による粘度差で試料の到達時間に差が出る 2. Large number of samples多数検体 3. Long-term stability required 長時間安定性が必要 4. Clogging of burner バーナーの詰り 5. Corrosion by highly acidic solution 高酸性溶液による腐食 次に、フレーム分析の例として、高カロリー食品の分析について説明します。 食品分析における要求項目としては 迅速分析が必要である 測定対象元素により、測定する濃度の差がある 複数元素を測定するため、連続測定が必要であるといった要求があります。 これに対する問題点としては 異なる希釈倍率による粘度差で、試料を吸引してからフレームに到達するまでの時間に差が出る 多数検体を処理しなければならない 長時間安定性が必要 有機物の多い試料を測定するためバーナーの詰りが生じる 試料を高濃度の酸で処理して測定するため、高酸性溶液により原子化部が腐食しやすい といったものがあります。

14 Analysis of high-calorie food
Solution 1.Different dilutions, different viscosities   cause different delay times 希釈倍率による粘度差で試料の到達時間に差が出る → Different delay time can be set for each element 元素毎に測定開始までの時間設定が可能 まず、最初の問題点の解決策として、 元素ごとに異なる希釈倍率で試料の到達時間に差が出る場合、Z-2000シリーズでは元素ごとに遅延時間(delay time)を設定することができるようになり、これに対処することが可能です。 ここの例では、K, Na, Mg, Ca, Fe, Znの測定において、Feの遅延時間を長くしています。 Delay time

15 Analysis of high-calorie food
2.Large number of samples 多量検体 次に多量検体の処理ですが、オートサンプラー使用時に、Z-2000シリーズでは最大10個のラックを使用することができます。これにより、ラックを交換しながら多数の検体(最大300)を測定することが可能になりました。 → Multiple autosampler racks can be used.      オートサンプラのラックが複数使えます。

16 Analysis of high-calorie food
3. Long-term Stability 長時間安定性 長時間安定性につきましては、先ほどCuのベースラインの安定性データを示しましたように、ゼーマン方式により非常に安定しています。これは、食品中のカリウムの測定において、同一試料を繰り返し測定したものですが、精度が良好であることが変わります。また、他のナトリウム、カルシウム・・・などについてもRSDが低く、精度良く測定が可能であることがわかります。

17 Analysis of high-calorie food
4. Clogging of burnerバーナーの詰り → Clean by setting the delay time (pre-spray) 予備噴霧時間の設定により洗浄 1~30min 次に、試料によりバーナーが詰まるという問題点の対策として、オートサンプラー使用時に予備噴霧を設定できるようになりました。これにより、測定開始時および元素切り替え時に予備噴霧することによってバーナーを洗浄し、詰まりを低減することができます。

18 OK NG Cleaning of nebulizer Nebulizer tip insert from this side Inlet
ネブライザーの洗浄 OK      NG Nebulizer tip 先端 insert from this side Inlet 吸入口 Cleaning wire また、ネブライザが詰まった場合は、ご存知のように付属のクリーニングワイヤーで掃除を行います。この際、通常は左のようにネブライザの吸入光側から挿入するようにします。 先端から挿入すると、先端の形状が変形する恐れがありますので、どうしても汚れが取れない場合を除いて、吸入光側から挿入するようにしてください。 A cleaning wire has to be inserted from inlet. クリーニングワイヤーは吸入口から入れる。

19 Cleaning of burner head
バーナーのスロットが詰まると、炎が割れてきます。このような場合は、厚紙を左右に動かしてクリーニングします。 また、バーナーヘッドの分解掃除も、毎日測定しているならば週1回程度実施してください。 Overhaul cleaning is required once a week. The burner head is cleaned by thick paper. バーナースロットは厚紙でクリーニング。               分解清掃は週1回程度は必ず行う。

20 Analysis of high-calorie food
5. Corrosion by highly acidic solution 高酸性溶液による腐食 Engineering plastic (chemical resistant) エンジニアプラスチック (耐薬品性) 高酸性溶液による腐食の対策として、Z-2000ではバーナーチャンバーを従来のステンレスから、耐薬品性の優れたエンジニアプラスチックに変更しました。

21 Chemical Resistance of Flame Burner Chamber
バーナーチャンバーの耐薬品性は、この表に示したように、塩酸、フッ酸や薄い硝酸、硫酸、王水にも耐えられるようになりました。

22 Concentration range can be changed by analytical line selection.
分析線を変えることにより測定濃度範囲を変えられます その他の注意ポイントについていくつか紹介します。 ナトリウムの場合には複数の分析線を持っています。 この図はNa 1ppmの測定を3つの波長で比べたものです。Naのような場合は、波長を変えることによって測定濃度の範囲を変えることができます。 Sensitivity for 1mg/L Na

23 Use of oxydizing flame and reduction flame
酸化炎と還元炎の使い分け Flame condition フレームの状態 Oxydizing flame (fuel lean) 酸化炎 Reduction flame (fuel rich) 還元炎 フレームの状態に二種類あるのはご存知と思いますが、ひとつは燃料に比べて酸素の割合が多い酸化炎で青い炎、もうひとつは燃料が多い還元炎で炎が黄色くなります。 それぞれ適した元素があり使い分けます。通常は、デフォルトで最適な流量が設定されているためあまり意識する必要はありません。 Applicable elements Cd, Pb, Mn, Fe Sn, Cr, Mo...

24 Difference of linearity in working curves
フレーム状態による検量線の違い Oxydizing flame 酸化炎 Reduction flame 還元炎 Example of Fe 0.2 0.2 Absorbance Absorbance Conc. これは酸化炎、還元炎での鉄の検量線を比較したものです。鉄は通常は酸化炎で測定しますが、還元炎で測定すると検量線が曲がる(吸光度が低くなる)傾向があります。標準液で検量線を作成して問題なくても、実試料を導入して炎が還元炎になると吸光度が低くなり、値が合わなくなる場合があります。また、アセチレンガスボンベの残圧が少なくなると、ボンベ中のアセトンが混入するため、やはり還元炎になり感度が低下する場合があります。 このように、炎の状態にも注意が必要です。 Conc. Oxydizing flame may be changed to reduction flame by introduction of real sample. Also, the flame condition may be changed acetone come from C2H2 cylinder when residual pressure < 0.5MPa 実試料の導入によって酸化炎→還元炎に変わる場合がある。アセチレンガスの残圧が0.5MPa以下の場合、ボンベからのアセトンの混入も、炎の状態を変化させる。

25 Contamination Laboratory environment: use of indoor shoes 室内環境 :上履き使用
室内環境 :上履き使用 測定室内からの汚染を防ぐためには、上履きを使用することが望まれます。 グラファイトファーネスによる微量分析ではなおさらですが、フレーム分析でも土足で室内に入ると汚染が発生する場合があります。

26 Contamination Laboratory environment: use of local ventilation
室内環境 :局所排気 Desktop local hood 酸や他の試料の蒸気が室内に広がると、装置や器具の腐食が発生し、またそこからコンタミネーションが出ることもあるため、フードで囲った局所排気により試料の飛散を防ぎます。

27 Contamination from environment
Zn signal Aspirate DW DW left for 3days tobacco smoke Flame on これは、フレーム測定でのコンタミネーションの例です。 フレームでZnを測定する際フレームの点火のショックの後、超純水を吸引しても吸光度は変化しませんが、炎の近くにタバコの火を近づけると、Znのピークが出ます。また、3日間放置した超純水を吸引してもピークが出、放置している間に室内の空気からの汚染が発生してることがわかります。このことからも、超純水は使用当日に作成する必要があります。 Zn signal in flame AAS

28 Contamination from environment
Na signal DW left for 3days Aspirate DW Tobacco smoke Flame on こちらはNaの例で、前のZnよりも周囲からの影響を受けやすいことがわかります。タバコの煙および3日間放置した超純水では非常に高いピークが出てしまいます。 Na signal in flame AAS

29 Open the drain valve of the compressor after measurement
測定後は必ずドレインを開けてください Drain valve 次に別の注意ポイントになりますが、コンプレッサーには必ずドレインバルブがついていますので、測定終了後にここを必ず開いて、たまった水分や油分を排出してください。これを行わないとオイルを含んだ水分が装置に入り、データ不良、故障の原因になります。 Otherwise, oil and water vapor may be introduced into the AAS, resulting in data imprecision and malfunction of the instrument. ドレイン抜きをしないとオイルを含んだ水分が装置に入り、データ不良、故障の原因になります。

30 Graphite Furnace 次にグラファイトファーネス編です。

31 Determination of Pb in tap water(bad example)
水道水中の鉛の定量(悪い例) これは、水道水中の鉛の測定例で、あるユーザーが測定した結果このように検量線の直線性が悪く、またブランクもかなり出ているという悪い状態でした。

32 Determination of Pb in tap water in Hitachi Lab.
装置条件                         温度プログラム           こちらは、日立のラボで測定した例で、検量線の直線性も良く良好なデータが得られています。 ユーザーはこのようなデータを得るにはどうすればよいか、実際にアドバイスを行った項目を次に説明します。

33 Component of a typical borosilicate glass
代表的なホウケイ酸ガラスの組成 Si, B, Al, Na, K, Fe are contained in % level. Component (%) SiO2 80.90 B2O3 12.70 Al2O3 2.30 Na2O 4.00 K2O 0.04 Fe2O3 0.03 other Others are contained in 0.03%. まず使用した容器の材質についてですが、ユーザーはガラス容器を使用していました。 この表は代表的なホウケイ酸ガラスの組成を示しています。 SiO2のほか、Al, Na, Kなどが含まれ、その他の成分も0.03%あります。これは300ppmになりますのでフォーネス原子吸光分析ではかなり高い濃度になります。このような容器を使用すれば、材質から微量金属が溶出してコンタミネーションを起こしてしまいます。 そのため、ファーネス分析ではガラス容器を使用せず、プラスチック容器を使う必要があります。

34 Contamination form containers
容器からの汚染 (1) Grass wares should be avoided for inorganic analysis of ppb (ug/L) or lower level. μg/L以下の無機分析で.ガラス容器の使用は避ける。 (2) Plastic wares such as polypropylene (PP), polyethylene(PE) are suitable. But blank level should be checked before use because metal oxides may be added as a plasticizer. PP, PE等の樹脂製の容器が適する。 ただし、可塑剤に金属酸化物が使われている場合があるので、ブランク値の確認をする。 (3) An ultrapure grade or EL-grade acid is preferable to analytical grade or AAS grade. 特級、原子吸光用よりもUltrapureやELグレードの酸が望ましい。 容器の使用についてまとめると次のようになります。(スライド参照)

35 Use of matrix modifier 0.15 + Pd 100mg/L 0.10 Absorbance 0.05
0    500   1000   1500 0.05 0.10 0.15 As 10μg/L + Pd 100mg/L Ashing temp.灰化温度 Absorbance グラファイトファーネスで重要な技術に、マトリックス修飾剤の使用があります。この図はヒ素の吸光度に対する修飾剤Pdの効果を示したものです。修飾剤無しでは、灰化温度700℃以上で吸光度が下がり、この温度でヒ素が蒸発してしまっています。Pdを100ppm加えると1300度程度まで安定で、さらに吸光度も増大しています。このようなことから、マトリックス修飾剤は、グラファイトファーネス分析で広く使用されています。 Effect of matrix modifier on arsenic absorbance Asの吸光度に対するマトリックス修飾剤の効果

36 Use of matrix modifier Atomization signal of Al in soil extract.
Modifier:Mg(NO3)2 with modifier without modifier これは、マトリックス修飾剤の別の効果を示したものです。土壌抽出液中のAlの原子化信号を比較すると、修飾剤無しではこのように幅広いダブルピークになってしまうのに対し、Mg修飾剤を添加するとシングルピークで鋭い信号が得られ、吸光度が増大します。 Atomization signal of Al in soil extract. 土壌溶出液中Alの原子吸光信号

37 Use of matrix modifier Modifier concentration Pd・Mg:500 ppm Ni: 1,000 ppm Mg: 1,000 ppm 差   - 1,000  900  Pb 灰化  温度  600  1,400  1,200  800  Se 400  1,600  200  Sb Cd 0  元素 none Pd・Mg Ni Mg As 1,300  The matrix modifiers for AAS are provided from Kanto Chemicals and Merck. Use of 1000ppm AAS Standard Solution as a matrix modifier is not recommended because they are contaminated with some trace elements. マトリックス修飾剤としては、Pd, Ni,Mgなどがあり、この表のように各元素に対して灰化温度を高くすることができます。 Pd+Mgが最もよく使われています。 この際、マトリックス修飾剤として原子吸光用標準液を用いると測定対象の金属を微量に含んでいる場合があるので、マトリックス修飾剤専用に市販されているものを使用します。

38 Determination of Pb in tapwater
Sample preparation 試料の調製 1)Use acid-washed plastic 25mL volumetric flasks. 酸洗浄した樹脂製のフラスコ25mLを用意する。 2)Dispense 0.2mL of ultra-pure nitric acid into each flask. 高純度硝酸0.2mLを各フラスコに入れる。 3)Dispense 0, 25, 75, 125, 250uL of 1.0mg/L Pb into each flask, and fill with DW. Use these solution as working standards. Pbの標準液1.0mg/Lをマイクロピペッターにて0,25,75 ,125, 250μLを入れ、純水で全量を25mLとし、これを検量線用試料とする。 4)Use a mixture of Pd and Mg(NO3)2 as matrix modifier (1000mg/L each as Pd and Mg). マトリックス修飾剤は Pd+Mg(NO3)2混合液(Pd、Mgそれぞれ1000mg/L)を用意する。 最終的に、ユーザーにアドバイスした方法は次のようになります。(スライド参照)

39 Analysis of data imprecision
データ不良の解析 Injection hole 試料注入口 Graphite tube 試料注入口 Light 光源 次に、データ不良の解析について説明します。 Electrode電極 Construction of electrothermal atomizer 電気加熱原子化部の構造

40 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Sampling error サンプリング不良 Contamination from environment 周囲環境からの汚染 Wrong temperature program (sample boiling) 温度条件不適(突沸) 不良データのパターンがいくつかあり、これらかその原因がある程度推定できます。 Contamination of electrode ring 電極リングの汚染 Contamination of rinse port 洗浄ポートの汚染

41 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Sampling error サンプリング不良 同一の試料を繰り返し測定した際に、ひとつだけピークが低くなるような場合は、サンプリング不良が考えられます。

42 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Adjusting nozzle position ノズル位置の調整 サンプリング不良は、ノズル位置調整が良くない場合に起こります。

43 Caution on nozzle height
ノズル高さに注意 OK NG 通常は、オートサンプラのノズルがキュベット内に入り、中で試料を吐出して、キュベット内に試料が注入されれば、うまく測定ができます。 しかし、ノズルの位置が高すぎると、吐出された試料がキュベット底面に落ちずに、ノズルに付着したまま注入口に付着することがあります。

44 Set the nozzle height very close to injection hole
0~0.5mm Better for low volume low viscosity Nozzle tip Set the nozzle height very close to injection hole 上下位置はキュベット穴に対し ぎりぎりにセットする ノズル高さの調整は、ノズル移動させた際に、キュベット穴に対しぎりぎり(0~0.5mm)にセットします。 また、試料量が少ない場合や粘性の低い試料の場合は、先端を45度ではなく直角に切断したほうが、試料がキュベット内に落ちやすくなります。

45 Nozzle height can be set without Graphite Tube Camera
The same distance Nozzle height can be set without Graphite Tube Camera グラファイト炉カメラなしでノズル高さが合わせられます。 キュベット上面でのノズルとキュベット上面の距離は、キュベット挿入時のノズルとキュベット底面と同じになるように設計していますので、キュベット内を観察しなくても、ノズル高さを適切に設定できます。

46 Simple Aqueous solution
Caution on sample volume 注入試料に注意 up to100μL Simple Aqueous solution 単純な水溶液 up to 30μL 単純な水溶液では100μLまで注入可能ですが、有機溶媒のように粘性の低い試料の場合はキュベット内に広がってしまい、再現性不良になることがあります。このような試料ではおよそ30μLが注入の上限になります。 Organic solvent 有機溶媒

47 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Wrong temperature program (sample boiling) 温度条件不適(突沸) 同一試料を繰り返し測定した際に、高いデータや低いデータがばらばらに出る場合は、乾燥温度の不良による試料の突沸が考えられます。

48 DC Zeeman method can monitor all stages in heat program 直流ゼーマン法は全加熱ステージをモニターできます。
日立の直流ゼーマンの特長として、加熱の全ステージをモニターできることがあります。 この信号により、乾燥や灰化段階で試料が突沸しているかどうかを判断できます。この図はジュース試料を測定した例ですが、乾燥段階で幅広いピークが見られます。これは試料の泡立ちによるもので、穏やかに乾燥しているため問題はありません。 Analysis of Juice sample Hitachi DC Zeeman method enables monitoring for all stages (Drying, Ashing, Atomization), and this helps operator to set up optimal analysis condition. AC Zeeman method can monitor only Atomization stage.

49 Optimum temperature can be set without monitoring inside of the graphite tube by camera グラファイトチューブ内をカメラでモニターしなくても、最適な温度が設定できます。 これは、乾燥温度が高すぎる例です。乾燥段階で鋭いピークが出現しており、試料が突沸していることがわかります。 このような場合は、乾燥温度を下げたり、乾燥時間を長くすることによって穏やかに乾燥させます。

50 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Contamination from environment 周囲環境からの汚染 同一試料を繰り返し測定した場合に、一回だけ高いピークが出るのは、空気中のほこりの混入など、周囲からの汚染が考えられます。

51 Contamination from environment can be reduced
by the standard equipped clean cover 標準装備のクリーンカバーにより環境からの汚染を低減できます Exhaust duct 排気ダクト Graphite furnace 電気加熱炉 Autosampler オートサンプラ Flame atomizer フレーム部 Clean cover クリ-ンカバー このような場合は、原子化部を覆うクリーンカバーが有効です。 ご存知のようにZ-2000シリーズではファーネスのクリーンカバーが標準付属しており、周囲環境からの汚染が低減されます。

52 Determination of aluminum
Contamination from environment can be reduced by the standard equipped clean cover 標準装備のクリーンカバーにより環境からの汚染を低減できます Determination of aluminum アルミニウムの定量 Contamination 汚染の混入 これは、Alの定量データです。クリーンカバーをあけた状態では繰り返し測定のデータが安定しませんが、クリーンカバーを閉じると安定します。これから、クリーンカバーの有効性がわかります。 Clean cover open クリーンカバー開放 Clean cover closed クリーンカバー閉じる

53 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Contamination of rinse port 洗浄ポートの汚染 time interval 試料を注入せずに最大加熱するとピークが出現し、これを繰り返すと次第にピークが小さくなる。しかし、しばらく時間を置いて再び加熱するとまた高いピークが出る、といった現象が見られる場合は、オーサンプラノズルの洗浄ポートの汚染が疑われます。

54 洗浄ポート Rinse port 洗浄ポートはこの部分です。

55 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Contamination of rinse port 洗浄ポートの汚染 この部分が汚染すると、ノズルがここに入っている間に汚染が付着します。繰り返し測定中は、リンス液で洗い流されるため次第にピークが低くなりますが、時間を置くとまた洗浄ポートから汚染が出るようになります。

56 Contamination of rinse port
洗浄ポートの汚染 1.Clean with cotton swab 綿棒で清掃 2. Add 100uL of conc.HCl and leave for 2-3 min. 塩酸100μLを入れ2~3分待つ 3. Rinse with DW  純水で洗浄 この部分の洗浄を行います。(スライド参照)

57 Factors for imprecision
再現性不良の原因 Contamination of electrode ring 電極リングの汚染 Absorption signal does not appear at the beginning of the atomization, but increases at the end of atomization and cleaning. 最大加熱をかけた場合、初期にはピークが出ず後半に出現する 試料を注入せずに最大加熱をかけた場合、初期にはピークが出ず、原子化の後半にピークが出現する現象が繰り返される場合は、電極リングの汚染が考えられます。この場合、汚染を取り除くのは困難なため、電極リングの交換が必要です。 Electrode ring 電極リング

58 Exchange of electrode ring
電極リングの交換 Ar gas Water in/out 電極リングの交換の際に注意すべき点として、電極をはずすとO-リングの位置がずれたり、電極側に付着している場合があります。 再び電極を取り付ける再にこれをはさまないように注意します。O-リングが電極に付着していると紛失しやすいので、ベース側につけておきます。 O-ring Be aware the o-rings not to be sandwiched between electrode and base. The o-rings should be attached to the base side. O-リングを電極とベースの間に挟まないように注意。O-リングはベース側につけておく。

59 Another factors for imprecision
再現性不良の他の原因 Quartz window 石英窓 その他の注意ポイントについて紹介します。 電極の外側には石英窓がついています。 突沸や過剰冷却により窓が曇りノイズが増え再現性が悪くなります。

60 Condensation by overcooling of the quartz window
   過冷却による石英窓の結露 Cooling circulator 循環冷却機 Normal 正常 Overcooled 過冷却 この石英窓に関する注意として、循環冷却機を使う場合の温度が低すぎると、石英窓が結露してしまいます。 このため、冷却水の温度は低すぎないように室温プラスマイナス5度程度に設定します。 Set around room temperature 室温±5℃程度に設定

61 Sample volume in the Sample Cup
サンプルカップの液量 サンプルカップにはオートサンプラノズルが挿入されますが、試料量が多すぎるとノズルの外側に試料が付着し、キャリーオーバーの原因になります。試料はサンプルカップの高さ半分程度で十分です。 Half cup of sample is enough. Too mach sample may cause carryover. カップ半分で十分。多すぎるとキャリーオーバーの原因になります。

62 Contamination with matrix modifier
マトリックス修飾剤による汚れ Clean the end of cuvette with a cotton swab each 100 measurements. 約100測定毎に、綿棒などで 清掃します。 High conc. of matrix modifier (eg. Pd/Mg 1000ppm) piles up at the ends of the cuvette. 高濃度のマトリックス修飾剤を使用すると、キュベットの末端に修飾剤が付着してきます。 (スライド参照)

63 Contamination with matrix modifier
マトリックス修飾剤による汚れ Clean the ring by passing a paper like Kimwipe. キムワイプなどをリングに通して 清掃します。 Matrix modifier piles up also at the electrode rings. 電極リングにもマトリックス修飾剤が付着してきます。 (スライド参照)

64 Another factors for imprecision
再現性不良の他の原因 Bubbling in syringe pumps 気泡の発生 Loosening of screw 接続部の緩み Deterioration of packing パッキンの劣化 オートサンプラシリンジ部の気泡の混入もデータ不良の原因になります。 データの再現性が悪い場合は、接続部の緩みやパッキンの劣化を点検してください。 Autosampler syringe pump  オートサンプラーシリンジポンプ

65 Analysis of semiconductor reagent (organic Si)
Xylene Sample×5Dilution Sample+Ca2.5ng/mL Sample+Ca5ng/mL BKG これは、マトリックス修飾剤を利用した分析の例です。最近は、半導体材料などの分析が増えています。 ここでは、有機Siを分析するため試料をキシレンで希釈しています。また、高濃度のSiを除くためにフッ酸を添加します。 さらにフッ酸と有機試料の混合を良くするためにテトラヒドロフランを添加します。結論として、マトリックス修飾剤にはフッ酸/テトラヒドロフランの1:1混合液を使用します。これにより、Caの1ppbレベルの測定が可能です。 ICP-MSは高感度分析が可能ですが、このような高マトリックス試料の分析には向かないため、今後原子吸光の需要が増える一分野と考えられます。 Avoid contamination from environment and containers. The sample is diluted with Xylene. Add hydrofluoric acid (HF) to remove Si. Add tetrahydrofuran (THF) to improve HF and organic Si. →Matrix modifier : HF/THF (1:1) Only GFAAS can analyze the sample.

66 Z-2000 series New Platform Cuvette
EPA method compatible Cumbersome insert operation is eliminated by built-in platform. 面倒な挿入作業が不要 Long life. 長寿命 Sensitivity is enhanced for some elements (1.5 times for Cu and Cr).        いくつかの元素では感度向上 Repeated measurement for Cr standard solution. Note: The lifetime of the cuvette will be variable according to samples and heat conditions. The data shown above is only rough reference for simple aqueous solution and is not certified value.  キュベットの寿命は単純な標準液での目安であり、保証値ではありません。 Insert Conventional type New Omega type

67 Know-how for a better AAS expert 更なる原子吸光スペシャリストへの測定のコツ
Thank you !


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