1. ことばとコンピュータ 2007 年度 1 学期 第 1 回

2. 2 ことばとコンピュータ 授業科目名：言語情報処理論 授業題目名：ことばとコンピュータ 履修コード： 5067 教室： 323 一学期開講 授業の進め方 – 基本的に講義中心ですすめ，時々コンピュー タを使う．

3. 3 評価方法 最終回にテストを実施 テスト： –A4 の紙を手書きに限り 1 枚持ち込み可 授業のフォローは， Web 上で行う 大学のトップページ → 外国語学部案内 → 学内ポータル → 言語・情報コース → 望月のペー ジ → 講義関連のことばとコンピュータへ

4. 4 授業計画 4/12 コンピュータにとってことばとは？ 4/19, 26 文を単語に区切って品詞を決める 5/10, 17 文がどんな構造をしているか決める 5/24, 31 単語の意味を決める 6/7 文の意味を決める 6/14 番外編：関連ツール（実習） 6/21, 28 照応詞が何をさしているかを決める 7/5 文章のトピックは何かを決める 7/12 コンピュータで何ができるかを知る 7/19 テスト

5. 5 概説 コンピュータにとって，ことばとは何 か？ その前に，人間にとって，ことばとは何 か？ – 人間のことばのことを「自然言語」 Natural Language という

6. 6 自然言語とは？ 人間が話す，使う「ことば」 ⇔人工言語（計算機言語，プログラミング言 語） 自然言語は人間の社会生活の中で発展 – 人間社会でのコミュニケーション手段 – 活動やさまざまな情報の記録手段 – 外界と心の中をつなぐ思考の表現手段

7. 7 自然言語とは？ 人間社会でのコミュニケーション手段

8. 8 自然言語とは？ さまざまな情報，知識，活動などの記録 手段

9. 9 自然言語とは？ 外界と心の中をつなぐ思考の表現手段

10. 10 コンピュータにとって自然言語と は？ 文字，テキスト – コンピュータの内部的には記号の羅列でしか ない どんな感じかというと．．．

11. 11 コンピュータにとっての文字 例えば 546f6b796f2056e6976657273697479206f 6620466f726569676e2053747564696573 2e こんな感じ

12. 12 コンピュータにとっての文字 例えば 546f6b796f2056e6976657273697479206f 6620466f726569676e2053747564696573 2e こんな感じ Tokyo University of Foreign Studies

13. 13 コンピュータにとって文字とは ASCII コード表ASCII コード表 A 41 というコードにしておこう コンピュータに とって

14. 14 文字 升目を書いて 点で埋めてみる．

15. 15 文字 例えば，コードは ASCII コードの 41 とする と， それは「 A 」である． A でも， AAAA などいろいろ → これは フォント A でも， A A A A A A A A A などいろい ろ → これはポイント A がちゃんと表示されるようにうまいこと 対応をつけているので，ちゃんと見える．

16. 16 コンピュータにとっての文字 要するに，文字は，コンピュータの内部 では何がしかの「コード」（数字の並 び）である． と，理解できれば，とりあえずよし． 細かくなりすぎるので，「文字」という ものを区別できているということで話を 進める． コンピュータは，「文字」は区別できて いる．

17. 17 コンピュータにとって文章は？ 文章，テキストは何であるか？ → 文字の羅列 である． （内部的にはコードの羅列）

18. 18 コンピュータにとって文章は？ 「す今で日よは気い天」 は，人間にとって何？ 「今日はよい天気です」 は？

19. 19 コンピュータにとって文章は？ 「す今で日よは気い天」 「今日はよい天気です」 上はよくわからない文字の羅列 下は日本語の文． 違いは？ 我々が日本語を知っていて， その知識に照らすと，下の文からは，い ろいろなことが意味のあるものとして認 識できる．

20. 20 コンピュータにとって文章は？ 「す今で日よは気い天」 「今日はよい天気です」 上は文字の羅列 下も文字の羅列 コンピュータは文字を認識するところ までは知識を与えられている（コード） が，それ以上のことは特に知らないので， 区別できない．

21. 21 ことばをコンピュータで扱うに は？ 文字の羅列から，意味のある文字列とし て認識するには，何が必要かを考える → 人間は意識せずともやっているので なかなかつかみにくい 文が文かどうかを知るためには – 単語 が わからないとならない – 構文 を 考えてつじつまがあるかを考える

22. 22 ことばをコンピュータで扱うに は 文と文でないものの区別がついたとして， – 同じ単語でもいろんな意味がある． 酒のさかな 海のさかな – おなじ構文でもいろいろ解釈がある． 黒い瞳の大きな女の子 Time flies like an arrow.

23. 23 ことばをコンピュータで扱うに は 文と文でないものの区別がついたとして， – 同じ単語でもいろんな意味がある． 酒のさかな 海のさかな – おなじ構文でもいろいろ解釈がある． 黒い瞳の大きな女の子 Time flies like an arrow. 自然言語は かなり，曖 昧

24. 24 ことばをコンピュータで扱うに は 曖昧な部分を解く鍵の１つは – 意味を知ること 単語の意味 文の意味

25. 25 自然言語の見え方は時系列，線形 発話やテキストは 1 次元の文字の連続 だけど， 前に述べたことや，これから述べること を関連づけて，立体的？，構造的に表現 しようと工夫している． → 文脈 この文脈もわからないと，ことばはわか らない

26. 26 コンピュータは実用品 ことばとコンピュータの関わりには， – 工学的な実用面が深く関係する つまり，何の役にたっているのか？ 実は，いろいろある 「かな漢字変換」「機械翻訳」「情報検索」 「音声認識」などなど

27. 27 まとめ この授業では ことばをコンピュータで扱うために， ことばをどのように捉え， どのように理解，処理されているか どのような役に立っているのか を学ぶ